資料解説
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2021文化財ウィーク電子展示資料解説p.11(29) 「「疱瘡絵」といわれる疱瘡除けの錦絵。この絵には、疱瘡神と疱瘡神に付き従う病児に与えられる張り子の玩具、鎮西八郎為朝が描かれています。鎮西八郎為朝は源為朝のことです。保元の乱で八丈島に流された為朝が、疱瘡神を退治したため八丈島に疱瘡が流行しなかったという伝説により、鎮西八郎為朝が疱瘡絵に描かれるようになりました。(Chinzei Hachirō Tametomo and the Smallpox Deity)Hōsō-e, literally "smallpox pictures," were used as charms to ward off smallpox. This picture shows the smallpox demon and papier-mâché toys given to sick children under the demon's control, together with the hero Chinzei Hachirō Tametomo, also known as Minamoto no Tametomo. Tametomo had been exiled to the island of Hachijō-jima after the Hōgen Rebellion, and a legend arose that there was no smallpox outbreak on the island because Tametomo had vanquished the smallpox demon. This resulted in Tametomo being used as the subject matter for hōsō-e like this one.」,2011大規模企画展(32)「「疱瘡絵」といわれる疱瘡除けの絵です。赤絵とも呼ばれ、赤の濃淡で彩色され、護符の役目を持っていました。疱瘡は日本人を最も苦しめた疫病であり、ほとんどの人が幼年期にかかりましたが、醜いあばたが残ったり失明したりすることもありました。疱瘡絵に描かれたものには、倒れてもすぐ起きるダルマ、軽い薄木ミミズク、張子の犬、強さにあやかるための鎮西八郎為朝などもありました。」,『第3回江戸資料展』図録解説p.22「源為朝が疱瘡神を退治したので八丈島の住民は疱瘡にかからないという俗信があり、まじないのため、戸口に「鎮西八郎為朝御宿」と書いて張ることが行なわれた。この図は、嘉永4年5月に両国回向院で行なわれた為朝明神像御開帳のおりのものと思われる。図中、患者の衣服その他に赤が多く用いられているのは、この色が疱瘡に対して効力があるまじないの色とされたことによる。」
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